(株)刺激LIFE 長寺忠浩の「秘密のビデオ」AV業界のレジェンド戸川夏也購入者が言う実際の評判
(株)刺激LIFE 長寺忠浩の
「秘密のビデオ」AV業界のレジェンド戸川夏也に
ずいぶん前から興味ありました。
でも、安い買い物でもないし
ネットの商品だから・・・
出典元:お笑いナタリー
ウエストランド井口と構成作家・飯塚大悟が毎月のお笑い界の出来事を勝手に振り返る連載「今月のお笑い」が今回で4年目に突入! 6月25日に書籍発売を控え、ひねくれ目線に磨きをかけながら5月のトピックスに触れていく。まずは当連載発ネタライブの反省から。ツートライブが優勝を果たした「THE SECOND」についても熱を込めて語る。さらに義理や人情やしょうもない話が削ぎ落とされる効率重視の昨今への嘆きと、共演機会が増えつつあるFRUITS ZIPPERへのメッセージも。清野とおるによる新しいヘッダーイラストにも注目ください。
【動画】「爆笑問題カーボーイ」(5月27日放送)再編集版(他16件)
構成 / 狩野有理
ヘッダーイラスト / 清野とおる
※取材は6月2日に実施。
■ 今の若手に足りないもの
──5月は「今月のお笑いネタライブ!!2~審査員は井口と槙尾~」がありましたね。
井口 どうだったんですか? 配信チケットの売れ行きは?
──まあまあ……、という感じです。
井口 というか、誰も告知してなかったですよね? あいつら許しませんよ! どうなってんだよ、告知しない奴。
──主にお二人と、審査員をやってくれたかもめんたる槙尾さん、リニアのお二人が積極的に告知してくれていました。
井口 だからもうダメなんだよ! 若い奴らなんか。絶対全員売れません!
飯塚 まあ、数あるライブの中の1つって認識なんだろうし。
井口 前に(とろサーモン)久保田さんも言ってましたよ。単純に、告知しない奴なんなんだって。こんだけ出て、僕は全部やってんだから。
飯塚 でも普通に、告知はしたほうがいいよね? 「こんなライブ出たくない」と思っているんだったら別だけど、関係者は喜ぶし、お客さんは増えるかもしれないし、いいことしかない気がするけど。
井口 どういう基準で告知する、しないを決めているのか知りませんけど、もうあいつらとは二度と口ききません!
飯塚 自分のSNSのセルフプロデュースもあるんだろうね。なんでもかんでも告知してたら芸人のアカウントとしておしゃれじゃないから、特に大事なライブとか、バズりそうなことを中心に投稿していきたいって気持ちがあるのかも。
井口 野澤(輸出)みたいによっぽどこだわって、決めたことしか言わないって決めてるんだったらわかるけど、たまに告知してるんだったらもう全部しろよ! というかXなんて告知以外の効果なんかないんだから。告知しとけ!
飯塚 じゃあ、全員失格?(笑)
井口 全員失格です。リニアが優勝です。
──ライブ自体はどうでした?
飯塚 槙尾さんの無限ダメ出しをどう捉えていいのかわからない雰囲気が最初はありましたよね。ためになることも言っているから笑ってもいけないし、「なんなんだこれは?」というざわざわが、よかったです(笑)。
井口 徐々に「これマジなんだ」とわかるっていう。
飯塚 リアルの人だからね、槙尾さんは。
井口 だけどやっぱり“究極の客観視”ができてない人は多かったですね。その場でも言いましたし、それ以外のところでも最近よく話しているんですけど、自分のことを「おっさん」って言う若手がとにかく多くて。本当にやめたほうがいいです。本当におっさんならいいけど。
飯塚 でも、令和ロマンや真空ジェシカみたいな次世代っぽいセンスの漫才師じゃない人、ひつじねいり松村くんとかは「おっさん」って言うしかないのかもしれない。若さの芸じゃないから。
井口 そうだとしても、言葉が浅はかですよ。「おっさん」の一言で終わらせようとしてるのが。なんとなく情けなくて面白い感じがするからと言って簡単に「おっさん」を使うのは冷めますね。同世代の芸人に聞くとみんな嫌がってました。もう恋愛コントが笑えないのと一緒で、「おっさん」って言われたら笑えない。だって、(賞レースの)審査員なんかおっさんどころじゃない、おじいさんとかなわけじゃないですか。そこを全然考えてないなと思います。
飯塚 実生活でもありますよね。30歳くらいの女の人が「私おばさんだから」とか言って、周りが悲しくなるっていう(笑)。
井口 もっと言葉を使って冴えないことを表現するならいいですけど。
飯塚 錦鯉が売れて、おっさん漫才は1回終わってるからね。
井口 お客さんもあの世代を「おっさん」だと思って見てないですから。100歳くらいまで生きるんだから、今の時代。
──飯塚さんが楽しみにしていた打ち上げもできましたね。
飯塚 参加してくれる人が多くてうれしかったです。「明日早いんで」「配信あるんで」みたいな、あんまり来てくれないかなと思ったけど。
井口 久しぶりにあんな大人数で飲みました。初めて話す人ばっかりでしたね。
──誰とかですか?
井口 家族チャーハン、スタミナパン……ほとんどですよ。そんな中、忠犬立ハチ高が「今月のお笑い」のことを知らなくて! ちょっとは目に入ってくるんじゃないの? あいつらの話もしたこともあるのに。エゴサーチとか1回もしたことないのかな。知らずにライブ出てたんかい、とかも思うし(笑)。芸人だったら見かけたことくらいあるだろ。
飯塚 お笑いナタリーがまだまだなんじゃないですか? 全芸人に知られてると思っちゃってるけど(笑)。
──それは本当にそう思いました! 最近、編集部でも「お笑いナタリーが“ご存知”でやっちゃってたね」と反省していたんですよ。改めまして、お笑いナタリーは365日芸人に関する記事を配信しているニュースサイトです!
飯塚 僕は毎回「『今月のお笑い』っていうウエストランド井口くんとやっているお笑いナタリーの連載があって……」っていちいち説明してます。知ってるかもしれないけど、ご存知で話して「はい?」って言われるのが嫌なので(笑)。
──でも井口さん、打ち上げでずっと怒っていましたね?
井口 ああいう過激な飲み会したほうがいいんですよ。
飯塚 大演説してたね(笑)。
井口 まっちゃん(松村)と貫太(ストレッチーズ高木)だけはそれに慣れてるからなんとも思ってなかったですけど、ほかの人はビビってましたね。あれだから! 毎日。あれくらいの気概がないと、どうにもならないです。
飯塚 「この人本当にずっとこうなんだ」ってなってたよ。「舞台上だけじゃないんだ!」って。むしろ舞台より制約がないからフルパワーだった(笑)。
井口 家族チャーハンも引いてましたね。でもあれくらいの覇気がないと。覇気がないから、みんな。
──ライブ終わりでまだこのパワーがあるんだ!と面食らいました。
井口 あれでめちゃくちゃ体調悪いわけですからね、こっちは。若手は覇気がないんですよ。とにかく覇気。
飯塚 告知と覇気ね。最近の若手に足りないもの。
井口 告知と覇気と、「本当にモテようとするな」。
──それはなんですか?
井口 いや、「モテたい」とか一番僕が言ってきたけど、嘘だよ?っていう。「本当にモテたいんだ!?」ってびっくりするので、本当にモテたい感じは出さないでほしいです。
■ ツートライブの半生感
──「THE SECOND~漫才トーナメント~」はツートライブの優勝で幕を閉じました。
井口 どうでした? 飯塚さん的には。
飯塚 この連載でも話したけど、予選からツートライブが面白いなと思っていて。まだ関東ではあまり知られていないことやネタの感じから、観ている人の中には「生放送でこの人たちって大丈夫なの?」と思った人もいたかもしれないけど、それによってどんどんネタに引き込まれたのかなと。“半生感”というか、NON STYLE石田さんで言うところの「生レバー食べていいの?」っていう。
──「何を言い出すんだろう?」とちょっとハラハラするというか。
飯塚 そうですね。だからこそネタにグッと没入しちゃう。平場でのキャラとかも知らない人が多かったと思うから、本当にヤバい人たちなのかどうなのか、わからない感じがよかった。
──しかも、以前飯塚さんが言っていましたけど、意外とリアクションがかわいい。
飯塚 1戦目で早くも泣いていたりして、かわいかったですね。「かわいい」と言っていいのかわかりませんけど(笑)。嘘の話だけで最後まで走り切るスタイルってなかなかできないし、できる人って一握りしかいないと思うんですよ。しゃべりだけでやってるのがカッコよかった。ああいうネタってウケないところでは一切ウケないし、特に東京のお客さんに受け入れられる印象がなかっただろうから、本当にうれしかったんだろうなと思いましたね。
井口 ツートライブさんは、僕がよく言う“場を掌握”してましたね。狙ってる部分もあれば、たまたまの部分もあったでしょうけど。トップバッターで、印象に残るようなワードを言って、それがのちのネタにも出てきたりとか、戦い方がすごく巧みだなと思いました。決勝は架空の人物の話をするネタでしたけど、それって言ったらなんでもありというか、簡単なわけじゃないですか。だからみんなやらないんですよ。でも最後に「お前の言う順番次第やろ!」っていうたかのりさんのツッコミがあって、それまでは囲碁将棋が優勝かな?という空気もありましたけど、あれがすべてを決めた感じがありましたね。最後うまくまとめたなと。
飯塚 囲碁将棋も面白かった。個人的に囲碁将棋ってすごく精度の高い大喜利漫才をしているイメージがあって、文字でも面白さが伝わるタイプの漫才師だなと思っていたんですよ。でも1本目のネタって大喜利もあるけど、文田さん自体も変な人間になるっていうのが1個乗っかっていて、僕が知っている今までの囲碁将棋から一段階上がっている感じがしました。
──井口さんは唯一の非よしもと・マシンガンズを応援すると言っていましたが。
井口 正直、やってる途中で「こりゃダメだ」と思いましたよ(笑)。マシンガンズが負けちゃったことにより、僕からしたらあの画面上に(ハイパーゼネラルマネージャーの)有田さん以外全員よしもとの人になっちゃったから、内々の大会みたいになっちゃったなっていうのもありますね。
飯塚 マシンガンズはその日の流れがすごく影響するコンビという気がしいてて。1対戦目のツートライブVSモンスターエンジンがそんなに盛り上がらないほうがウケたんじゃないかと思った。練り込まれたネタで最初からめちゃくちゃ盛り上がっちゃうと、マシンガンズのアドリブっぽいスタイルがちょっと刺さりづらかったのかなという気がする。
井口 みんなもう知ってますしね、マシンガンズの芸風を。
飯塚 確かに、お客さんもマシンガンズ耐性がついちゃってるのかもしれない。逆にはりけ~んずさんはこれだけ大ベテランだけど、新鮮味があったのかもしれないね。
井口 すごかったですね、はりけ~んずさん。「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)にゲストで出たときに「昔一緒にライブに出てた」と言っていて、そんな昔の人だったんだ!?って改めて思いました(笑)。
■ 熱くなって危うくポストするところだった
飯塚 ザ・ぼんちもすごかった。
井口 「ザ・ぼんちさんが朝4時まで打ち上げ行ってた」とかもいい話ですよね。一般の人はどう思ったかわからないですけど、若手の芸人はこの大会に異常に感化されてるというか、「やっぱ芸人ってカッコいいな」と思ったし、「こうなりたいな」「ネタをやり続けてる先輩方はカッコいいな」と思う大会になっていますよね。芸人が好きな大会、みんなが心を揺さぶられる大会になっているんじゃないですかね。僕もリアルタイムで観てたので、熱くなって危なくXでポストするところでした。
飯塚 ああ、生放送中に芸人さんのポストを拾ったやつね(笑)。真相は知らないけど、ああいうデカい大会で、しかも生放送だから、「このタレントさんのポストを(MC)に読んでもらいます」というのを番組のトップの人がチェックする暇はなかっただろうなとは思った。たぶんスタッフの中では「うわ、それは……」と思った人もいたと思う。
井口 ハッシュタグ付いてない投稿を拾っていいのか?とは思いましたね。危ねえ!と思いましたね、こっちも。
飯塚 こういうことがあると来年からみんな投稿しなくなるよね。
井口 そうなっちゃうんですよね。逆効果だろ!っていう話ですからね。まあでも、総じて楽しく観られました。芸人が好きなだけの大会にはならないでほしいですけど。
飯塚 芸人内の熱とそれ以外の差は特にある賞レースだよね。うちの奥さんは「今日セカンドなんだ」とか当日まで知らなかったし。「M-1」ほどの知名度や影響力にはまだ達してない。まあ、開催できたことがよかったけどね。局の事情的に開催自体が危ぶまれていたから。
井口 決勝の前からいろいろな声がありましたけど、スーパーオーディエンスを入れることで開催できているところもあると思うから、お笑いファンにはむやみに拒絶しないでほしいですね。大会がなくなっちゃったら元も子もないので。
飯塚 あと、今さら言うことじゃないけど、(スペシャルサポーターの)華丸さん面白すぎない?
井口 すごかったですね。全ボケで。
飯塚 面白いし、誰も損しないし、審査にも影響しないことをさらっと言えるコメント力が異常だなと思った。けっこう最近は麒麟の川島さんとか銀シャリの橋本さんとか、センスのあるワードを残せる人が注目を集めがちだけど、それとも違うスッと入ってくる感じのコメントをするんだよね。大吉さんのコメントも的確で熱があったし、博多華丸・大吉ってやべえコンビだなって改めて思った。
■ インディアンスきむのちょうどいい問題提起
井口 ガクテンソクはすでに東京に来てはいましたけど、3大会連続、関西でやっていた人たちが優勝してますね。今大会(のグランプリファイナル)にはマシンガンズしかよしもと以外の芸人は出ていないし。よしもと以外は劇場がないので、どうしても15年超えると漫才をやる機会が如実に減るから、勝つのは難しくなるよなっていう危機感じゃないですけど、どうしていけばいいんだろうとは思いましたね。「M-1」はワンアイデアとか、飛び道具的なものでも勝てることがあるけど、6分で、タイマンで、となると戦えない。
飯塚 1本ならまだしも、3本となると奇襲が通じない感じはあるよね。単純に漫才筋肉がムキムキじゃないと。
井口 よしもとだけしか残らないグランプリファイナルも、全然あり得るわけじゃないですか。よしもと以外の東京のおじさんたちになんとかしてもらいたいですけど。
飯塚 リニアにがんばってもらおう。
井口 そうですね。三拍子さんとかにも。
飯塚 そういえば、インディアンスのきむさんがマシンガンズのネタに苦言を呈していたのがネットニュースになっていて。スーパーオーディエンスに触れたりしたことをけっこう痛烈に批判して、逆にそれもコメント欄で批評されるっていう。この連載でもよく言うけど、よしもとの文化として「ネタから降りるのはナシ」というのが強くあるんだろうね。でも、なんでこんなに違うんだろう。ウエストランドもアドリブとかバンバン入れるタイプだし、その瞬間瞬間のことを言うタイプじゃん。
井口 10年以上前によしもとのライブに呼んでもらって、ネタで「日本エレキテル連合がどうたらこうたら!」って言ったらめちゃくちゃウケましたけど、よしもとの人は「ええ?」となっていましたからね。
──「そんなことやっていいんだ?」という戸惑いが。
井口 同じライブに出ていたタモンズさんは「面白ければええんやな」みたいになってくれていましたけど、まったく文化が違う感じはあります。ましてや今は“鎖国”してるから、どんどんそういう色の違いが出てきちゃうかもしれないですよね。
──でも、どっちのスタイルもいいんですよね?
飯塚 そうですね。どっちも存在できることがいいことだから。
井口 有吉さんのラジオできむの話になって、西堀さんが言い返してましたから。意外ときむは火種になってくれるから、広がりはありますね(笑)。
飯塚 きむさんってところがいいよね。もっと影響力がデカい人だとピリッとするから。
井口 粗品とかだと怖いから(笑)。
飯塚 問題提起する人としてちょうどいい、と言ったらあれだけど、にこやかに議論できる。
井口 「うるせえ!」って言える人だからいいですよね。
■ 立て込む賞レース
飯塚 「ツギクル芸人グランプリ」の決勝メンバーにネコニスズも入ったね。
井口 何が“ツギクル”だよって話ですけど(笑)。さすらいラビーとかも入ってるんでしたっけ?
飯塚 入ってる。2年連続決勝進出している金澤TKCファクトリーさん、めちゃくちゃ面白いと思うんですけど、「ツギクル芸人」と「R-1」でしか話題にならないから、もっと注目されてもいいのになと思います。あと豆鉄砲が確変に入ってきている気がします。今年「M-1」の決勝とか行っちゃうんじゃないかっていうくらいの。スタミナパンも勢い感じますね。
──「ダブルインパクト」も着々と進んでいますね。
飯塚 「ツギクル」の準決勝と同じ日に、「UNDER5 AWARD」の準決勝(大阪会場)もあって。
井口 すごい賞レースの数ですよね。いや本当によかったです、優勝しておいて。大会それぞれ色が出て、そこからの活躍があることが一番大事な気がするので、優勝した人には責任持ってがんばってほしいっていうのはありますね。
飯塚 そういえば、サツマカワRPGが3ユニットで「ダブルインパクト」の準々決勝に残ってて(※)。
井口 誰と出てるんですか?
飯塚 トゥリオと、どんぐりたけしとのロボドカーンと、野澤さんとの歌謡界隈。
井口 ピン同士はいいと思いますけどね。トゥリオは嫌な気持ちになる人もいると思うので。
飯塚 思い出づくりで出てるのかどうなのか、わからないからね。きっとサツマカワさん的には全部本気なんだろうけど、芸風的になかなか伝わらない。
井口 怪奇(怪奇!YesどんぐりRPG)はどうなったんですかね?
飯塚 誰もわからない。
井口 やらないならやらないで、けじめはつけたほうがいいと思いますけど。「知ってる人は教えてください」って書いといてください(笑)。
※編集部注:6月6日に発表された準決勝には残らず。
■ 消えゆく情けない話
──前回は取材中にくるまさんの活動に関する発表がありましたけど、直後すぎてうまく話せていなかったんじゃないかと思って。むしろ取材後の「ぶちラジ!」のほうが考えがまとまっていた感じがしました。
井口 そうでしたね(笑)。まあ、くるまのことに言及しているのが僕しかいないっていう謎の状態になっていて。
飯塚 「ぶちラジ」での発言がネットニュースになってたね。
井口 こういうときにだけなるんだから。個人のYouTubeも賞レースのときだけなるし。
飯塚 (くるまに)会った?
井口 会ってはないですね。よしもとはやめちゃったわけですからね。
──会ったらなんて言います?
井口 「何やってんだよ!」ってことですけどね(笑)。どうなってるのかあんまよくわかんないので。
──飯塚さんはお会いしました?
飯塚 会いました。
──元気でした?
飯塚 元気でしたよ、普通に。
──元気なら何よりです。
井口 まあ元気なら何よりだし、この件に関して僕はよしもと側についたわけですからね、ついに(笑)。
飯塚 「勝手に動画だしたらダメだろ!」っていうね。
井口 くるまのことを言う人があんまりいないですけど、僕は言っていきますよ。
飯塚 すごくいろいろ考えてやっているんだろうとは思います。宣材写真をかが屋の加賀くんに撮ってもらったり、「野菜-1グランプリ」の審査員に就任したり、今自分がこういうものに出ることがどんな意味を持つのか、と考えながら。自分のことを「よしもとが生んだ最高傑作」と言っていたくらいなので、これからどう活動していくのかは興味深いです。
井口 まあ、この件に限らずですけど「新しそう」っていうだけで崇めるなよとは思います。自由とかいろいろ言うけど、大変なことだってあるわけじゃないですか。やりたくないことも多少はやっていかなきゃいけないというか。やっぱり義理とか人情ってゼロにはできないと思うんですよ。だから、今後の世の中どうなっていくんだろうと思ったりもしますね。そういう(義理や人情が)ない人が増えていくのかな、とか。
飯塚 でもそうなっていくんじゃない?
井口 たとえばライブで、「エンディングまで残れたら残ってください」と言われていても若い人は帰っちゃう。エンディングまでいても意味ないっちゃ意味ないけど、でも本当に意味ないのかな?って僕は思うんですよ。無駄なことこそ大事なときもあるし、それが面白かったりもするし。人と人とのつながりってそういうものから生まれると思うから、効率だけに縛られるのって僕は個人的には好きじゃなくて。芸人にもそういう奴が増えてきた気がしますね。
飯塚 SNSがあるから、「どう見えるか」にみんな重きを置いているんだと思う。意味がないことに時間を割かないようにしている感じはする。
井口 究極、お笑いなんか意味のないものじゃないですか。意味のないこと、不要なことを自ら選んでやっているのに何を効率求めてるんだっていう。
飯塚 オードリーのラジオで、売れてないときに暇すぎて芸人仲間たちと公園で変な遊びを延々とやっていたという話をよくしていて。もちろんカメラを回してるわけでもなく。それがこうしてのちにエピソードとして話せているわけで、若い人ってそういうのがあんまりない気がする。時間があったら配信しようとか、note書こうとか、意味があることしかやらないから、くだらないことがあんまり起きない。本当はもっとしょうもない話があってもいいのに。しょうもないことって、「お金になるかも、話題になるかも」っていう打算の外にあるものだと思うから、そういうのがないのはちょっとさみしいよね。
井口 こういうこと言うと「お前らが古いんだ」とか言ってくる奴がいるけど、正解なんてまだわかんないからな! 今に見とけよ! あいつらがトガり散らかしてた10年が実は間違ってた、となる可能性だってあるんだから。
飯塚 そんな中、金魚番長・古市くんの失踪事件が……。
井口 飛んじゃったやつですね(笑)。
飯塚 こういう情けない話、久々に聞いたなと思って。簡単に説明すると、古市くんが浮気して彼女に別れを告げられたから、スネて芸人引退するって言って、よくわかんないけどプロポーズまでして、それでもやっぱりフラれて、仕事飛んじゃったっていう。
井口 それをラジオで言って、相方が最終的に「俺のほうがモテねえみてえじゃねえか!」ってツッコんでて。そこで思いましたね、そんなにモテたいんだ?って。情けない面白さはありましたけど、僕はゾッとはしました。
飯塚 そこに着陸するんだ?っていうのはあるね。舞台に穴を開けるのはダメだし、彼女にとっては嫌な話だと思うけど、こういう話は面白いって思っちゃった。もちろんこんなのバズろうとしてやってないじゃん(笑)。浮気もダメだけど、オンラインカジノは本当にダメじゃないですか。額がデカいのとか引いちゃうから。
井口 いや本当に。9番街レトロの金問題(※)とか、みんなどう思ってるんだよ。
※編集部注:オンラインカジノ騒動以前、井口がしばしば9番街レトロと月収が同じくらいだとテレビなどで話していたことに対して、みなみかわらは「嘘だ」と疑っていた。
井口 あいつが使った額、何千万とかって文春の記事に書いてあったじゃないですか。やっぱりそうじゃねえかよ! 同じどころの騒ぎじゃないですよ。記事見て、誰も何も言わなくなっちゃって。だから信じろよ! 僕のことをいい加減。1個も信じないんだから。
──ここ最近のいろんなことを見ていると……嘘つきが多いですね?
飯塚 急にどうしたんですか(笑)。
──だから井口さんだけが本当のこと言ってるんだなあとつくづく思いました。
井口 そうですよ! みんな嘘つきなんだから。僕は誰のファンにも1回もなったことないです。芸能人は全員嘘つきだと思ってるから。
──え! そうなんですか。
井口 だって、みんな嘘つきじゃないですか(笑)。と、思って僕は生きてます。
■ 全員許しません!
飯塚 くるま氏の話に戻るけど、佐久間さんのYouTubeで「芸能界天下取り将棋」という企画をやっていて、いろんな名前が挙がる中、最後に井口くんと永野さんがくるま氏の両脇に配置されていたね。
井口 くるまが言ってくれれば影響力もあると思うんですけど、前に「見取り図じゃん」(テレビ朝日)にさらば青春の光が出て、森田さんが僕や小宮さんのことを「東京に来て驚いた芸人」と言ってくれてたんですけど、一向にも「すごい」とか「そうなんだ!」ってならないというか。
飯塚 おかしいねえ。
井口 「そんなわけないだろ」みたいな。もう観ている人の中で言ってほしい人の答えが決まってるんですよ。なんなんだよ! 「やっぱ井口ってすごいんだ」にまったくならない。本当にうんざりですよ。生きててしんどいよ! この気持ち本当にわかってほしい。本当にしんどい! そういう世界だと思って地道にがんばるしかないですね。気づかないんだから、なんにも。そんな中、「ReHacQ-リハック-」っていう謎のビジネスYouTubeに出て、1ミリも手応えなかったのにコメント欄は称賛の嵐で。なんにもすごいことしたつもりはないですけど、いつもお笑いを見てない人からすると「こんなに切り返し速いんだ」みたいになるんですかね。だから、お笑い好きな人こそ凝り固まってるんですよ。認めてくれよ、そろそろ。
飯塚 リハック、1回観た感想で言うと、悲しかったんだよね……。番組側の「はい、しゃべってください」みたいなノリとか、ひろゆきさんがずっと嫌なイジりしてくる感じとか。でもひろゆきさんってたぶん、井口くんという存在が好きなんだよね。井口くんのコスプレとかもしてたじゃん。
井口 そうだそうだ。
飯塚 だから結論、好きな人でもああいう感じでイジっちゃう人なんだなーとも思った(笑)。
井口 そんな中、僕が嫌な顔せずやってるっていうのがね。
飯塚 そうそう。キレちゃうよと思ったもん、自分だったら。ひろゆきさんのやり方って、いざ身内の人がやられたらすごいツラいんだなってわかった(笑)。
井口 僕は言われたからやるだけだし、なんも思わないので。ただ、これでいいんかいっていうのはありますね。普段もっとすごいことやってるはずなのに誰も褒めてくれない。だからくるまがいくら名前挙げてくれても、ひと笑いのために名前出したくらいにしか思わないんじゃないですか? 本当につらいっすよ。
──それだけつらいのに、よくやれてますね。
井口 本当に、よくやってますよ(笑)。だから絶対許さないです、全員。
──全員?
井口 絶対許さない。死ぬときに全員言ってやりますよ。
──何をです?
井口 文句とか言って。それこそこの連載が書籍化されて、あとから「実は好きだった」とか言ってももう許さないですからね!
■ 若い芸人のトーンにビビる
井口 土田(晃之)さんのラジオにマシンガンズが出ていて、土田さんが「昔からよしもと対それ以外の構図になるからなあ」「今そこに唯一歯向かっていってるのが井口」と言っていて、僕のアンチよしもとが土田さんにまで届いているんだ……!って思いましたね。一昔前だとどう捉えられてるかわかんないけど、今ってみなさん優しいから怒られてもないし、楽しくやれてますけど。そこまで浸透してきたか、と。
飯塚 まあ、ここまで言わないと浸透しないっていうのもあるよね。
井口 そうですね。なんにせよ、どうせさらばが名前出してくれようが、くるまが言ってくれようがダメなんで、地道にやっていくしかない。いつか全部がひっくり返るまで信じてやるしかないですね。
飯塚 ひっくり返る瞬間って全然あるしね。嫌われ者だった出川(哲朗)さんも国民から愛されるキャラクターになったし、そういう日はやってくるよ。
──こんなに言っても伝わらないと絶望してもおかしくないのに、えらいです。
井口 絶望はしないですけど、もうやるしかないって思ってますよ。
飯塚 またよしもとに事件が起きたら、アンチよしもと活動家としてワイドショーにコメント求められるんじゃない?
井口 どんな肩書なんですか(笑)。僕が一番よしもとに元気でいてほしいですからね。それでこそ言えるので。
飯塚 でもそういう火種を生み出す人っていないよね。今ってみんな仲がいいから。
井口 友田オレにもこの間初めて会いましたけど、なんか、怖かったですね。
飯塚 怖かったんだ?(笑)
井口 しゃべるトーンなんですかね? 若い人と接してて感じることが多いんですけど、本当に論破してこようとしてくるトーンなんですよ。「ちょっと、なんなんですかあ!」とかじゃなくて、「いや、でも、こうこうこうで……」みたいな(笑)。僕らはそれに「え……?」ってビビっちゃうというか。昔の人ってしゃべり方違うじゃないですか。とんねるずが出てきてとんねるずっぽくしゃべるとか、たけしさんとかダウンタウンとか。今それが変わってきてるんでしょうね。何かが若い人に影響を与えていて、僕らにはない低いトーンになっているのか。
飯塚 平場で結果出そうとか、平場で売れようって思う人がいなくなっている気はする。展開を想定して用意したりとかはもうちょっとするかなと思うこともあるんだけど、そういう感じでは今はもうないのかなと思って。
井口 こっちはこっちで本当のおっさんたちだったりすると、若い人たちとうまく組み合えなくて(笑)。
飯塚 とはいえ、友田オレさんは最近まで大学生だったからね。
井口 確かに!(笑) それはそうか。23歳とかですもんね。
飯塚 ネタの面白さと芸人としての基礎体力が付いているかどうかは別だし、先にネタが完成されていく人が多いというのはあるだろうね。
■ 「チャンスの時間」の問題作
飯塚 「チャンスの時間」(ABEMA)で最近けっこう“問題作”が多くて。1つは永野さんが恋愛リアリティーショーのMCをやったらどうなるかという企画で、永野さんはめちゃくちゃにするよりもちゃんと進行する中で永野節を入れるっていう手法を取ったんだけど、うまくMCできていることに対して千鳥さんがイジるっていう、メタのメタのメタのメタみたいな複雑なことをしていて。スタッフの意図がどうだったかはわからないんだけど、でも見応えはすごくあって、永野さんも最近で一番追い込まれたんじゃないかなっていう内容になっていた。もう1つは井口くんが審査員として出ていた「フリースタイル口喧嘩バトル」。井口くんも「芸人同士で口喧嘩をする」というド直球なことを今やるんだって言ってたけど、1戦目は普通に低レベルな口喧嘩やっちゃって「これどうしたらいいのこれ?」となりながら、みんなで作り上げていく過程が面白かった。
井口 これはスタッフさん的に、意図して固まりきってない状態で走らせていたんですかね?
飯塚 それはわからないね。
井口 まだ配信されてないんですけど、もう1個「チャンスの時間」の収録に行って、また審査員みたいなことやったんですけど、それもたぶん思ってるのとは違うことになっているんですよ(笑)。結果盛り上がりはしてるけど、「これでいいのか?」っていう。
飯塚 最終的には千鳥さんが笑いにしてくれるという信頼のもと、ある意味雑なことでも「やってみよう」と踏み出せるのはすごい。
■ ルシファー吉岡は究極の芸人
飯塚 あとルシファーさんが「グランド座王」(※)になった。
井口 ああーそうだそうだ。
※編集部注:「千原ジュニアの座王」(関西テレビ)歴代チャンピオン16名の中の王者“グランド座王”に輝いた。
飯塚 ルシファーさんがちゃんとこういうところでも通用するんだってことが知られるのがうれしいよね。
井口 そうですね。前も言いましたけど、ラジオの超ポンコツなイメージで単独ライブを観に行くとあまりにもちゃんとしてるからお客さんがびっくりするっていう(笑)。ルシファーさんっていろんな面白さがあるので。
飯塚 大喜利も強くてポンコツってあんまりいないよね。
井口 僕とか小宮さんとか(ジグザグジギー)池田さんはそういう面が大好きなので。ネタはめちゃくちゃちゃんとしてるし、「座王」みたいなモロお笑いで殴り合う戦いでも勝って、その話をラジオでするときはポンコツでまともにしゃべれない(笑)。変わってますよね。
飯塚 もしかしたら究極の芸人かもしれない。センスの人って人間的なかわいげみたいなものがどうしても出ないし、そう見てもらえないところがあるけど、ルシファーさんは両方を兼ね備えてる。
井口 確かにそうですね。あと、本当におじさんだし(笑)。
飯塚 芸人の最終形態だよね。報われてほしいな。
■ FRUITS ZIPPERのインタビューも読んでいる
井口 あとは、僕が新しく始まった「バラバラ大作戦」に昨シーズンから引き続き積極的に出ているっていう。マヂラブの「声優談子」とか、FRUITS ZIPPERの番組(「FRUITS ZIPPERのNEW KAWAIIってしてよ?」)とか。FRUITS ZIPPERの番組にはとにかく出ていて、今度番組イベントにも出ることになっているんですよ。ただ、FRUITS ZIPPERがインタビューで「マユリカさんに早く来てほしいです」(※)とか、収録の合間に「マユリカさんいつ来るんですか」とか言ってて。やめてよぉ、さみしいから。そんなこと言うなよ。僕がこっそり傷ついてるよっていうのは届けたいですね。
※編集部注:「バラバラ大作戦」の前回シーズンでマユリカはFRUITS ZIPPERと一緒に番組を担当。公式お兄ちゃん的存在となっている。
──でもFRUITS ZIPPERのメンバーが井口さんの誕生日を祝ってくれているXのポストとか見ましたよ。
井口 直前に収録が一緒だったので、みんな義務のように言ってきてくれましたね(笑)。
──井口さんも誰かの公式お兄ちゃんになれたらいいですね。
飯塚 井口くん向いてると思うけどね。公式お兄ちゃん。
井口 FRUITS ZIPPERの番組に出させてもらって思い出したんですけど、昔モツ鍋屋でバイトしてたときから年下の女子からの扱いがなんにも変わってないんですよ。もちろん芯の部分は年上だとは思ってくれているとは思いますけど、ちょっとバカにしてくる感じがもうずっと一緒。あいなぷぅとか、あのちゃんもそうですけど。人間って変わらないというか、ナメられ気質みたいなものはもともと持っているものなんだろうなって思いましたね。まあなんか言ってきてくれるほうがこっちも「うるせえ!」とか言えるからいいですし。あと、見てる人が一切嫉妬しないっていうのもあるでしょうから。
飯塚 モテようとしてる公式お兄ちゃんは怖いもんね。自分がアイドルの親だったら預けられない。
井口 だから金魚番長なんか絶対近づけちゃダメですよ。モテようとしてるんだから。絶対に向こうも好きにならない、みたいな人じゃないと。
飯塚 井口くんは第2のあのちゃん的な人を探していかないと。ちょうどいい感じでナメてくれる人を。
井口 FRUITS ZIPPERが今年紅白出てほしいって誰よりも思ってますからね、僕が(笑)。ただ、名前を出してくれないと! FRUITS ZIPPERは知らないと思うけど、僕は信じられないくらいいろんな人のインタビュー読むんだから。あのちゃんはお願いしたらいっぱい名前出してくれてたんで。「マユリカさん呼びたい」じゃなくて!
※次回は書籍発売イベント開催のため、連載を1回お休みします。代わりに「今月のお笑い」にまつわる動画をお笑いナタリーのYouTubeチャンネルに公開する予定です。
■ プロフィール
□ 井口浩之(イグチヒロユキ)
1983年5月6日生まれ、岡山県出身。2008年、河本太(コウモトフトシ)とウエストランドを結成。2013年4月に「笑っていいとも!」(フジテレビ)のレギュラーに抜擢され、最終回まで不定期で出演した。2012年から2014年に「THE MANZAI」認定漫才師。「M-1グランプリ」では2020年に初の決勝進出を果たし、2022年に優勝! ラジオ形式の番組「ウエストランドのぶちラジ!」をYouTubeなどで配信中。とろサーモン久保田とのレギュラー番組「耳の穴かっぽじって聞け!」(テレビ朝日)は毎週月曜25:58~。タイタン所属。
□ 飯塚大悟(イイヅカダイゴ)
1982年4月13日生まれ、新潟県出身。テレビ、ラジオの構成作家。現在の担当番組は「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」「家事ヤロウ!!!」(テレビ朝日)、「水曜日のダウンタウン」「クレイジージャーニー」(TBS)、「ヒルナンデス!」(日本テレビ)、「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)など。書籍「深解釈 オールナイトニッポン~10人の放送作家から読み解くラジオの今~」(扶桑社)。
ちょっと不安があるんだよね。
口コミで見る限りでは、
良い評判もあるし
さっそく試したいけど・・・どうなんだろうね?
実践者の口コミや評判って
何か安心感があって、
基本的に効果については肯定する声が多かったです。
あまり良い口コミばかりだと
胡散臭いけど・・・やってみようかな